犬の僧帽弁閉鎖不全症(心臓病)とは
中〜高齢期に犬に起こる、「咳」や「元気がない(低下)」を主な症状とする心臓病です。
初期には症状がはっきりしませんので、健康診断等で気づいてあげる必要があります。
キャバリア、チワワ、シーズー、トイプードル、マルチーズ、ポメラニア
などの犬種でよくみられますが、どの犬種でもあっても発病する可能性がある疾患です。
この病気のために必要な検査
1聴診
まずは胸の音を聞く検査で大まかに病気の有無を把握することができます。
2レントゲン検査
心臓の大きさを見るだけでなく、咳が出ているのであれば、気管や肺にも異常が無いかを同時に把握することができます。心臓の精査としては次の心臓エコー検査も併用する必要があります。
3心臓エコー検査
心臓の状態を把握する上で最も優れた検査だと考えます。
心臓病の有無の診断だけでなく、心臓の機能を知ることができるため、どれぐらいの量や種類で心臓病のお薬を処方すべきかを考える上で、最も参考にしている検査です。
4心電図検査
不整脈の有無を確認します。
治療法
当院ではACVIM(米国獣医内科学会) のガイドラインを参考に治療方針をご提案しています。
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ステージA
基本的に治療の必要はありません。
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ステージB1
基本的に治療の必要はありません。
6~12ヶ月毎に定期検査を行い、経過の観察を行います。
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ステージB2
お薬の開始をご提案します。
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ステージC
積極的な投薬が必要です。状況に応じて入院治療が必要になる場合もあります。
当院では実施していませんが、ご希望に応じて心臓の手術ができる専門病院をご紹介することもできます。
これらの治療方針を決定する上で上記したような検査が必要となります。
心臓の音を聞いただけでは正確にその子の心臓の状態を把握することは困難であるため、基本的に上記した検査を適宜行いながら、その都度その子のその時の状態に応じたお薬を処方する必要があります。
特に腎臓が悪い子の場合は注意しないと、心臓病で使用する薬の中には腎臓に悪影響を及ぼすものもあるため、適切な使用が求められます。
心臓病の有無を把握するには、まずは聴診が重要です。
僧帽弁閉鎖不全症は元気そうに見えても実は始まっていることもありますので、聴診は毎年かかさず受けていただきたいです。
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