比較的若い月齢から犬に起こる、皮膚の痒みを主な症状とする皮膚病です。 柴犬、フレンチブルドッグ、ウェスティ、シーズーなど、特定の犬種で多いので、遺伝的な要因もあると考えられています。 このような犬種で、若い頃から
  • 足を舐める
  • ワキや内股を舐める
  • 腕のあたりや足の毛をかじってしまい毛が短くなっている
  • 耳を痒がる
などのような症状がある場合は、犬アトピー性皮膚炎を考慮します。 しかし、例えば、柴犬で若い頃から体中を痒がるから必ず犬アトピー性皮膚炎かといえば、もちろんそんなことはありません。   ノミの寄生や、細菌やカビによる皮膚炎、体に合わないシャンプー剤の種類やシャンプーの仕方、食事の内容によって痒みが出ていることもあります。   犬アトピー性皮膚炎の診断は、痒みを起こす様々な原因をひとつひとつ消去していってはじめてできるのです。   ではアトピー性皮膚炎と診断されたらどうなるのでしょうか。   残念ながらアトピー性皮膚炎は治るものではありません。しかし、上手くコントロールする方法が少しずつわかってきています。 治療法は主に次のようなものがあります。

治療法

  • 投薬(痒みを抑える)
  • スキンケア(保湿、適度なシャンプー)
  • 食事の管理(皮膚を健康に保つ)
  • 環境の管理(アレルゲンを避ける)
どれか1つだけで上手くコントロールする事は難しいので、これらを組み合わせて治療していく必要があります。また、犬アトピー性皮膚炎は皮膚のバリア機能の低下が発症の原因と考えられているので、肌の保湿や適度なブラッシングなど、バリア機能を高める日常的なケアもこの病気を管理するために欠かせないものです。